ゴルフのテレビ中継を見ているとプロはパットをぽんぽん決めるので、ゴルフをはじめる前は「パットなんてボールを転がすだけだし簡単なんだろうな」と思って見ていました。
ところがいざパットをしてみると難しく、中級者になるにつれさらにパットを難しく感じるようになりました。
ショットがよくて80台の後半は出せても、合わせてパットもよくないと80台前半、ましてや70台は難しいです。
ここでは平均パット数を縮める方法について紹介します。
1.プロの平均パット数ってどれくらい?
女子プロの平均パットは上位の選手で1.7くらいで90位の選手で1.9くらいです。
プロの平均パット数の算出方法はLPGAによると
パーオンしたホールの平均パット数。
【パーオンホールの総パット数÷総パーオンホール数】
とあくまでパーオンしたホールのパット数だけを数えています。
つまり、寄せワンのパーのパットはそもそも勘定に加えられていません。
2018年8月20日加筆修正
出典:日本女子プロゴルフ協会 2016年度 平均パット数
2.アマチュアの平均パット数を見てみよう
アマチュアの平均パット数はGDOのスコア管理から抽出したデータを見てみます。こちらは総パット数を18ホールで割ったものです。
平均スコア | 平均パット数 | 1R平均パット数 |
70-79 | 1.78 | 31.98 |
80-89 | 1.88 | 33.80 |
90-99 | 1.96 | 35.37 |
100-109 | 2.12 | 38.18 |
出典:上級者の共通点、それはパットが上手いこと
これに比べるとかんたろうは平均スコアは80台のところに入るのに平均パット数が2.0を切れるか切れないか、といったところ。まだまだ改善の余地が大ありです。
3.どうしてパットを多く打ってしまうのか?
ここはひとつ考え方から整理して行こうと思います。
いろいろな情報を調べていると、アマチュアは「ショットは慎重に打つのに、簡単に3パットしてしまう」という言葉を見つけました。確かにその通りだと思います。
ラインを読むのにもあまり時間を掛け過ぎても同伴者に迷惑ですし、こんな感じかなと適当に打ってしまうこともあります。ファーストパットが寄らずに、さらにショートパットを外して3パットということはよくあります。
プロは3パットがスコアに対するダメージが大きいことをよく分かっていて、極力3パットしないように心がけているそうです。
3-1.パット数が多くなる原因
掘り下げてパット数が多くなる原因を上げてみます。
パットの技術の問題
- ロングパットの距離感が合わない
- ロングパットの考え方が悪い
- ラインが正しく読めない
- 真っすぐ打てない
- ショートパットを強く打てない
パターとの相性の問題
- パターのストレートタイプ、アークタイプが合っていない
- パターのライ角が合っていない
- インサートとの相性が悪い
ショット・アプローチの問題
- アプローチが寄せきらない
- グリーンの難しい位置にオンしている
- グリーンのエリアを狙える技術がない
環境の問題
- グリーンが早い
- 1グリーンの大きいグリーンでそもそも難しいグリーンのコースでプレーしている
原因をまとめてみると、パットの技術の問題とショット・アプローチの問題、環境の問題に分けられることがわかりました。
4.パット数を減らす方法
ここでは先ほど上げたパット数が増えてしまう原因に照らし合わせて、どうすれば克服できるかを考えていきます。
まず
ロングパットの距離感が合わない
ロングパットの考え方が悪い
ラインが正しく読めない
に関連する改善方法です。
4-1.縦位置についた場合、上りの真っすぐのパットを残す
傾斜に対して縦の方向にボールがついたときには、ファーストパットでも1発で入らない距離ならば、2パットで確実に入れることを考えて、上りの真っすぐが残る位置へ外します。
アプローチでも上りの真っすぐが残る位置へボールを運びます。
上りの真っすぐはカップ目がけて薄くラインを読んで強めに打つことで入る確率を高めることができます。1mでも2mでも強くまっすぐ打てれば入るところに1打目を置くことがポイントです。
4-2.横位置についた場合、プロラインに外す
よくアマライン、プロラインといわれますが、横位置についたらどうせ外れるのならば深めに読んでプロラインに外すようにします。アマチュアラインに外してしまうと、2打目のパットがどちらに曲がるかわからず、3パットする危険が高まります。
アマチュアラインに外した後のパットは外した位置によって、スライスライン、ストレートライン、フックラインのどれにもなってしまいます。はじめて打つラインになるのでどれくらい切れるかわからないのです。 かんたろうはこの状況がすごくよく起こります。
対してプロラインに外すと返しのパットが先ほど通ったラインと同じ方向に曲がるので、すでに一度見た切れる感じを参考にすることができます。
上級者がよく「返しのパットはもうラインが分かっているから入る」という言葉の意味はこういうことです。
アマラインに外すと、返しのパットもどう切れるか分からないで打つことになります。
4-3.まっすぐ打てるフォームを身につける
真っすぐ打てない
という問題に関しては安定してまっすぐ打てるフォームを見つけることが大切です。
体の一部分とグリップやヘッドをリンクさせる方法でまっすぐ打ちやすいです。
体の一部とは胸骨、みぞおち、へそなど体の中心のラインのいずれかです。
こことグリップをリンクさせるように振ると安定したストロークができるようになります。
パターのストロークに関しては次の記事を合わせてご覧ください。
4-4.ショートパットを強く打つ
ショートパットを強く打てない
という問題に関してはあまり考えすぎないで、強く打つことなのですが、前のプレーヤーのミスなどを見て影響を受けることもあります。
もしかして切れるのかも、などと考えすぎてしまっていつものストロークとどこか違ってしまいます。
ショートパットでは邪念を無くしてインパクトに集中する、ボールとフェースの接点に集中してパチンと打ってしまいます。ちょっとくらい強く当たってもだいたい入ります。
打ち終わってからカップを見るようにします。打つ前はカップを見ないようにすることが大切です。
あとはショートパットを外しやすいグリーンがあります。「あのコースのあそこのグリーンは初めて来た人がショートパットをよく外す方向がある」というのが経験でわかってきます。芝目を強くしてあるか、錯覚が起きているかのどちらかだと思います。
4-5.アプローチは上りのストレートラインを残すように打つ
アプローチが寄せきらない
という問題はかんたろうもよく起こります。
かんたろうはいつもカップの方向に打ってOKを狙うアプローチをしていました。
ところがこれはうまく行けばOKになるピタッとよることもありますが、ヘタをすると少しカップをオーバーしてそこから難しいラインで2パットということがよく起こります。
このようなことを回避するには次の考え方が有効です。
かんたろうはこの考え方を実践して普段1パットが1~2回のところ、6回に増えました。
アプローチでポイントなのは「カップよりも低い位置にわざと外す」ということです。
カップを狙って行って横方向に1~2mはずすのはよくあることだと思います。ただ横方向の1~2mのパットはなかなか入りません。ここから2パットがかなりの確率で起こります。
アプローチを「カップよりも低い位置にわざと外す」とはすなわち「1~4mの上りのストレートラインを残す」ように打つということです。
上りのストレートのラインは切れてもカップ1個なので入れるつもりで薄く読んで強くまっすぐ打ちます。
1m以上オーバーしてもいいのです。ここで入れるためにアプローチをわざとその位置に置いたのですから、勝負です。
グリーン周りまできたらか必ず「上りのストレートラインのパットしか打たないぞ」という意気込みでグリーンを観察してからアプローチします。そうすれば1パットで済む確率がぐーんと上がります。
4-6.アプローチでは気持ちよく打てる距離を番手によって把握する
ハーフショットでは自分の振り幅や力のいれ方で振りやすい位置があります。
肩から肩だったり、腰から腰だったり、ひざからひざだったりです。
かんたろうの場合はそんなことも決めずにだいたいこれくらいという感覚で打ちます。
自分のなかで目をつぶっても気持ち良く振れるくらいの振り幅、力加減でどれくらい飛ぶのかを把握しておいて、本番でもおおまかそんな感じです。ハーフショットはおおまかに腰から腰くらいの1つしかありません。後はこれで強弱で調整します。
無理に肩から肩とか意識しないほうがいい感じで打てます。
あまり練習できないときは番手で打ち分けたほうが簡単です。次の記事でウェッジを5本体制にした経験を書いています。
4-7.遠目から見るグリーンの見方
次は
グリーンの難しい位置にオンしている
の問題に関してです。
これはミドルアイアンなどでグリーンオンすればよしという状況ではなく、PW以内でできればグリーンをエリアで狙いたいというシチュエーションのときの話です。
ピンの位置に対してグリーンのどこが狙いやすいかははじめてのゴルフ場ではわかりません。大かた受けグリーンが多いのでピンの手前から攻めるのがセオリーです。
砲台グリーンでなければ、遠目に見てもどこが低そうなのかは見えます。通常のグリーンであれば「ピンより低い位置に、2段グリーンでしたらピンと同じ高さの面に」乗せるように心がけてから打ちます。
グリーンのセンターでなくてピンより低い位置です。
できれば大まかな傾斜はヤーデージブックに書き込んでグリーンの落とし所を把握することで次回以降のラウンドが楽になります。
ただグリーンを狙うだけだと難しい位置にボールが落ちてそこから2パットで沈めるのが難しくなります。できるだけ簡単なほうにボールを運ぶことを考えます。
以下の記事ではヤーデージブックの自作の方法を紹介しています。
4-8.100ヤード以内の精度を高める
グリーンのエリアを狙える技術がない という問題に関しては練習あるのみです。
グリーンの傾斜を把握できても、狙った位置にボールを運べなくては仕方ありませんね。
100ヤード以内の精度を上げることでスコアに直結するのだなと感じています。
上級者と回っているとこのあたりの精度が良いスコアにつながっていると感じます。
パターの入れやすい位置にボールを運んで難なくバーディやパーを取っているように見えます。
ウェッジの精度を高めるにはフェース面を感じることが大切です。この記事でフェース面を親指で感じる方法を紹介しています。
4-9.コースを再考する
グリーンが早い
1グリーンの大きいグリーンでそもそも難しいグリーンのコースでプレーしている
の問題に関してはその他の好みの問題があると思うのですが、明らかにグリーンが簡単なコースもあるし、その日のセッティングによって簡単にしてくれていると感じる日もあります。1グリーンで大きく、うねっているタイプのグリーンではたとえグリーンオンしても、普通に3パットとかも多いにありえます。2グリーンで傾斜もワンパターンの小さなグリーンはパット数が少なくなります。
どこコースにするかというのもパットを縮めるひとつの要素には間違いありません。
グリーンが早い場合、遅い場合の対処については、かんたろうの場合、せいぜい10フィートくらいまででそれ以上の高速グリーンではプレーしたことがないのでわかりません。グリーンが遅い場合ははじめの3ホールくらいまでにその遅さに慣れて、感じをつかむようにします。
4-10.パターフィッティングを受ける
2018年8月20日加筆
記事を見直していて、パターとの相性のことが抜けていたので加筆します。
パターを変えるとしばらくは新車効果、のようにスポスポ入ることがありますが、これは体が異質なものの形や距離の情報を取ろうと、脳や神経の働きが最大限発揮されるからかな、と感じます。
それとは別にやはりクラブと同じように、体に合ったパターがあると思います。
ストレートに近いタイプなのか、アークに近いタイプなのかももちろんあります。さらに前傾姿勢とボールとの距離によって、かなりライ角の影響を受けていると感じています。
いまかんたろうはパターに自分のストローク(スタンス)を合わせて打っています。まだこれで調子がいいので変えませんが、いずれまた入らなくなったら正しくライ角をフィッティングしてもらおうと思っています。
まとめ
平均パット数を縮める方法について書いてみました。平均パットが1.7台になれば70台がかなり見えてくると思います。パットでスコアが縮めることができると非常に楽なので、トライしてみてください。パットを減らす一番のポイントはアプローチで上りのストレートのラインを残すように打つことだと思います。
GDOのパット数の平均と、プロの平均パット数は違います。
プロの平均パット数は、パーオンしたホールのみの平均です。
寄せワンで平均値が下がっているアマチュアとは質が違いますので、そこら辺を誤解がないように記事にしていただけるとありがたいです。
遠藤さん
コメントありがとうございます。
管理人のかんたろうです。
ご指摘いただきありがとうございました。
記事の一部を修正いたしました。
一度、プロと同じ方法で計算してみようと思いました。
また記事にできればと思います。